PTK

PTK(治療的表層角膜切除術)について

PTK(Phototherapeutic Keratectomy:治療的表層角膜切除術)について角膜の混濁がある疾患に対して行うレーザー治療で、視力に影響している部位の混濁除去が目的となります。治療では、エキシマレーザーを照射して角膜の表層から実質の一部分までを切除します。角膜の濁りをすべて除去するわけではありませんし、裸眼視力を良くするための屈折矯正手術でもありませんのでご注意下さい。
この手術の対象となるのは、顆粒状角膜変性症やアベリノ角膜変性症などの角膜ジストロフィ、帯状角膜変性、角膜混濁、角膜白斑などで、角膜の混濁による視力障害のある症例です。
このPTKを行うと、角膜の上皮や実質の一部を切除されるため角膜の厚みが減ります。そのため、裸眼視力がもともと良い方は遠視化し、近視だった人は近視が減ります。手術後は、治療用のソフトコンタクトレンズを装着し、角膜を保護する必要があります。
手術自体は点眼麻酔により痛みがありませんが、手術後は角膜上皮に痛みを感じるようになり、上皮が再生するまでこの痛みは続きます。なお、上皮が再生をはじめるまでには数日から1週間かかります。 角膜上皮が再生したら治療用のソフトコンタクトレンズを外しますが、治療効果を実感できる視力回復にはもう少しかかります。 なお、PTKは平成23年4月の診療報酬改定により保険適用となっています。

PTK手術の内容

点眼麻酔をして、開瞼器を装着してまぶたを開きます。 エキシマレーザーを照射して角膜上皮を蒸散させ、角膜実質にもレーザーを照射します。切除量は個人差がありますが、上限の限界もありますので、角膜混濁をすべて除去できるわけではありません。
照射後は治療用ソフトコンタクトレンズを装着して手術は終了です。

PTKの適応疾患

角膜ジストロフィ

角膜ジストロフィは遺伝性の病気で、顆粒状角膜変性症やアベリノ角膜変性症など、さまざまな種類があり、症状もさまざまです。たとえば代表的なアベリノ角膜変性症では、角膜に顆粒状の小さい混濁が生じ、濁りの色は白から灰白色です。混濁は最初軽度であるため、若い時期に自覚症状が現れることはあまりなく、加齢によって混濁が広がってから気付くケースが多くなっています。混濁が瞳孔領の黒目にまで広がると視力低下として自覚されます。

帯状角膜変性

カルシウム塩の沈着によって起こる混濁です。沈着が角膜の横方向にある角膜上皮下起こることで帯状の角膜混濁が生じます。混濁が瞳孔領の黒目にまで広がると視力低下を起こし、進行によって疼痛が起こるケースもあります。

上記のほか、角膜混濁、角膜白斑などによる視力障害のある方。

PTK治療が適していない方

  • 膠原病、免疫不全、自己免疫疾患のある方
    上記の疾患は創傷治癒に関わってくるため、角膜上皮化遅延を起こしやすくなります。
  • 角膜全層におよぶ強い角膜混濁や白斑のある方
  • 角膜深層の疾患によって生じた角膜混濁のある方

こうした症例の場合、PTKのようなレーザーによる切除のみでは不十分です。

合併症について

眼痛、異物感、流涙

角膜の上皮を剥離しますので、治療用ソフトコンタクトレンズを装着しても痛みや異物感が出る可能性が高くなります。ただし、痛みは数日から1週間でおさまっていきます。こうした症状を抑えるために、点眼や痛み止めの内服薬などをお渡ししています。

治療用コンタクトレンズが外れる

痛みや流涙、強いまばたきで治療用コンタクトレンズのずれや外れが生じるケースがあります。こうした際には強い痛みや異物感が起こります。外れた場合には眼科専門医がコンタクトレンズの再装着をする必要がありますので、すぐにご連絡下さい。

角膜感染症

PTK手術では、上皮欠損状態になるため感染リスクが上がります。細菌や真菌の感染予防のために、抗生物質の点眼を行います。
感染症が発症すると、治療で完治しても角膜に瘢痕や混濁が残って十分な視力が出ないケースも出てきます。こうした際には、別途、レーザーによる混濁の除去が必要になることもあります。
頻度はとても低くまれですが、他にも像のぼやけ、角膜混濁、ドライアイ、角膜炎、角膜潰瘍、以前より光をまぶしく感じる、乱視、不快感などが起こる可能性もあります。

TEL:03-3601-0955
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